高原のカワラヒワ

八ヶ岳南麓の白樺林の疎林にカワラヒワがとまっています。


カワラヒワは全長15cm、体重は17〜30g程度で翼開長(翼を広げた大きさ)は約24cmほどです。スズメ程度の大きさです。

オスは背中と体下面が茶色です。頭部から胸にかけてはオリーブ褐色になっていますし翼と尾羽は黒く、風切と尾羽の基部は黄色くなっています。

メスはオスに比べると全体的に淡い色合いをしていますが、頭部の灰色味が強いですが肌色をした太い嘴と凹尾になっている尾羽はオス・メス共通です。


高原のカワラヒワは暑さにまけないで元気に飛び回っていました。




以下の写真は、キヤノン望遠ズームレンズEF100-400mmF4.5-5.6L IS USMをCanon EOS 7D Mark II に装着し手持ち撮影しました。








八ヶ岳山麓のニホンリス

八ヶ岳山麓で木々をすばしこく動き回るニホンリスに会うことができました。

以下にネット上の動物図鑑のリホンリスの説明の一部文を引用します。


ニホンリスは別名ホンドリスとも呼ばれていて、本州から四国・九州にかけての、平地から亜高山帯までの森林地帯などに生息している。

樹上性のリスで、比較的低地の松林などに多く見られ、普段は単独で生活している。

体色は夏毛と冬毛の色が異なり、冬は褐色や灰色を帯びたような褐色で、夏は茶色や赤色を帯びたような褐色となる。
腹面は喉から下が白色なので、本種とよく似たタイワンリス(Callosciurus erythraeus thaiwanensis /下面はベージュや黄土色)と見分けることができる。

手足と指は長く、鋭い鈎爪をもっており、耳が大きく、冬毛では耳の先に房毛が見られる。

昼行性の動物で、主に朝夕に活発に活動する。
行動範囲は雄で0.056〜0.4k㎡、雌では0.043〜0.13k㎡程度と考えられていて、行動範囲には尿などで臭い付けをして縄張りが主張されている。
また、行動範囲は食糧事情などによって変化するが、森林が分断されているようなところでは、その範囲はかなり広くなるとされている。

若葉や木の実、芽、果実、きのこ類などの植物質を主に食べるが、ドングリや松の種子を好むと言われている。
しかし、ニホンリスは雑食性で、昆虫や小鳥の卵なども食べる。

巣は、小枝や樹皮、苔などを使って樹上の枝の間に丸い巣をつくるが、樹洞を利用してつくることもある。
また、ニホンリスは冬眠せず、秋にはドングリなどの木の実を地中に埋めて蓄える習性がある。

動きはかなり敏捷で、樹上でもすばやく移動し、危険が迫ると鋭い警戒音を発し、毛をふるわせる。

繁殖期は2〜3月と5〜6月頃に見られ、年に1回か2回繁殖する。
妊娠期間は40日程で、1産2〜6子を出産し、子どもは2ヵ月程の授乳期間がある。

野生での寿命は3〜5年程度、飼育下で5〜7年程度と考えられているが、近縁のユーラシアリス(Sciurus vulgaris)は野生下で12年、飼育下では14年以上の寿命をもつことが知られている。
また、ニホンリスは日本の固有種とされているが、ユーラシアリスの亜種とする説もあり、その場合の学名はS.v.lisとなる。

外敵にはテンやキツネ、猛禽類などがいるが、これらの脅威よりも近年の生息地の減少による影響の方が脅威となっているほか、タイワンリスなども移入されていることから、これに圧迫されての生息数の減少や交雑なども危惧されている。

いずれにせよ、かつては馴染みの深い動物であったニホンリスも、中国地方及び九州地方ではほぼ絶滅したと見られており、保護を要する動物となってしまっている。



この八ヶ岳山麓のニホンリスたちが、いつまでも子孫をつないでくれることを切に願います。




以下の写真は、キヤノン望遠ズームレンズEF100-400mmF4.5-5.6L IS USMをCanon EOS 7D Mark II に装着し手持ち撮影しました。





井戸尻湧水群の池に咲くハスの花

井戸尻湧水群の池に蓮の花が咲いていました。


ふと芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の冒頭のハスの池を思い出しました。

青空文庫より引用してみます。


「ある日の事でございます。御釈迦様おしゃかさまは極楽の蓮池はすいけのふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮はすの花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色きんいろの蕊ずいからは、何とも云えない好よい匂においが、絶間たえまなくあたりへ溢あふれて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。

やがて御釈迦様はその池のふちに御佇おたたずみになって、水の面おもてを蔽おおっている蓮の葉の間から、ふと下の容子ようすを御覧になりました。この極楽の蓮池の下は、丁度地獄じごくの底に当って居りますから、水晶すいしようのような水を透き徹して、三途さんずの河や針の山の景色が、丁度覗のぞき眼鏡めがねを見るように、はっきりと見えるのでございます。
 

さて、ハスは古くから神聖な存在とされ、仏教と深い関わりを持つ植物です。

たとえば、仏像は蓮華座と呼ばれるハスの花の台座に座っていますし、ハスの花を挿した水差しを持つ仏像もあります。

香炉などの仏具もハスの花の形をしていますし、お供え物の砂糖菓子もハスの花の形をしたものがあります。

仏教にとってハスはとても大切な植物なのです。



「蓮は泥より出でて泥に染まらず」



といわれるように、池の底の汚れた泥の中から茎を伸ばし、美しい花を咲かせます。

その姿は、極楽浄土に咲くにふさわしい存在として尊ばれ、善と悪、清浄と不浄が混在する人間社会の中に、悟りの道を求める菩薩道にもたとえられました。


この池には赤い花と白い花が咲いていました。



「ひとたびも 南無阿弥陀仏といふ人の 蓮の上に のぼらぬはなし」

             空也(972年没) 拾遺和歌集




以下の写真はPanasonic コンデジ ルミックス ブラック DMC-FZ150-K (LEICA DC VARIO-ELMARIT広角25mmでF2.8、望遠側600mm相当でF5.2レンズ搭載)で手持ち撮影しました。




井戸尻湧水群の池で咲く睡蓮

井戸尻湧水群の池に睡蓮の花が咲いていました。

井戸尻湧水群は「井戸尻遺跡」の古代人の水源としても使われたと思われる八ヶ岳山麓に広がる湧水地帯で遺跡の斜面の岩の隙間から豊富な湧水が、あたりの水田に注いでいます。

その湧水によってつくられる数ある池々には古代ハスだけではなくスイレンや現代のハスも植えられています。

ハスとスイレンは、ともに水の底の土や泥に根を張り、夏の午前中に白やピンクの花を咲かせます。花の形もよく似ていますが、見分けるポイントは葉。睡蓮の葉は切れ込みがあり、水面に広がりますが、蓮は切れ目がなく、水面より上に葉を広げるようです。



「この三朝 あさなあさなを よそをひし 睡蓮の花 今朝は開かず」 (土屋文明)



以下の写真はPanasonic コンデジ ルミックス ブラック DMC-FZ150-K (LEICA DC VARIO-ELMARIT広角25mmでF2.8、望遠側600mm相当でF5.2レンズ搭載)で手持ち撮影しました。


古代ハスの葉っぱを背景にとまっているコシアキトンボ

古代ハスの葉っぱを背景にとまっている黒色で腹の上部だけが白いトンボを見つけました。

コシアキトンボです。

白い部分が空いているように見えるので「腰空き蜻蛉」と言う名前が ついたそうです。

溜め池などで普通に見られ、池の水面近くを活発に飛び回るトンボです。




 「蜻蛉や 何をわすれて もとの杭」   (正岡子規




以下の写真はPanasonic コンデジ ルミックス ブラック DMC-FZ150-K (LEICA DC VARIO-ELMARIT広角25mmでF2.8、望遠側600mm相当でF5.2レンズ搭載)で手持ち撮影しました。


古代ハスにとまっている「赤とんぼ」

八ヶ岳南麓の井戸尻遺跡の古代ハスの葉っぱの上に真っ赤な「赤とんぼ」がとまっています。


赤とんぼの代表はアキアカネですが、より赤みが強く、顔まで真っ赤なのでナツアカネではないでしょうか?


ナツアカネは、6月から12月まで水田や湿地、河川などの周辺で、ごく普通に見られる赤トンボですが、写真のトンボは、かなり赤いのでショウジョウトンボかもしれません。


  
「生きて仰ぐ 空の高さよ 赤蜻蛉(あかとんぼ)」 (夏目漱石



この俳句は、夏目漱石が、明治43年8月24日、修善寺で胃病を悪化させ、漱石の「修善寺の大患」と呼ばれている大病を患(わずら)った後、奇跡的な回復をみせ一命をとりとめ、命の尊厳(そんげん)を詠(よ)んだ一句として有名です。


古代ハスの咲いている池なので生命の力強さを考えさせる赤とんぼでした。


以下の写真はPanasonic コンデジ ルミックス ブラック DMC-FZ150-K (LEICA DC VARIO-ELMARIT広角25mmでF2.8、望遠側600mm相当でF5.2レンズ搭載)で手持ち撮影しました。





井戸尻遺跡の古代ハス

7月16日八ヶ岳南麓の長野県諏訪郡富士見町にある井戸尻遺跡(いどじりいせき)を訪れました。


この遺跡は縄文時代中期を中心とする集落遺跡で、遺跡周辺は井戸尻湧水群と呼ばれる水の湧き出る場所があちこちにあり、このあたりでは古代蓮をみることができる地として有名とのことです。


八月が花の最盛期だそうですが、現在、咲きはじめたところです。


この地で見られる古代ハスは、大賀ハス(オオガハス)と言われるハスで、1951年(昭和26年)、千葉県千葉市検見川にある東京大学検見川厚生農場の落合遺跡でハス博士といわれた故「大賀一郎」博士が、縄文時代に咲いていた古代ハスの種3粒を発見し、そのうちの一粒の開花に成功したものなのだそうです。


その後、蓮根や実により、国内外に約150箇所以上の地に植え込まれ、育てられ、太古の夢を語り継ぐ、今から2000年以上前の古代のロマンの花となっています。


長い眠りから覚めた力強いハスのパワーを全身にあびて何か元気になりました。



以下の写真はPanasonic コンデジ ルミックス ブラック DMC-FZ150-K (LEICA DC VARIO-ELMARIT広角25mmでF2.8、望遠側600mm相当でF5.2レンズ搭載)で手持ち撮影しました。


井戸尻遺跡

古代ハス(大賀ハス