秋と栗

秋の柔らかい日差しを浴びながら、茶色の栗の実がイガからのぞいています。「路傍の秋」がここにありました。「いよいよ秋だ!」と確信しました。寺田寅彦(てらだとらひこ)の俳句に

「栗(くり) 一粒 秋 三界(さんがい)を蔵(ぞう)しけり」 

という栗の名歌があります。この句は、「栗は秋そのものだ」と解釈されてきたのですが、原作では、栗では、なくて、粟(あわ)が本当とのことです。でも、この写真のように、栗(くり)のほうがインパクトが強いので栗のままの句として掲載します。
栗は、秋の味覚として、縄文の時代から、現在にいたるまで人々に愛されてきた季節感あふれる果実です。童話の「サルカニ合戦」にも登場しています。まだ、残暑が厳しいですが、秋は確実に里に降りてきています。