金木犀(きんもくせい)

我が家の2本のキンモクセイの木から、猫の額の庭にも甘い香が漂ってきています。
この木犀は中国では「桂花」というそうです。
日本では、中国・明(みん)の時代の詩人、高啓(こうけい)という人が詠んだ漢詩が有名です。


題桂花美人  高啓  (けいかびじんに だいす   こうけい)
桂花庭院月紛紛けいかの ていいん つき ふんぷん
按罷霓裳酒半醺げいしょうを あんじ やんで さけ なかばようす
折得一枝携満袖いっし おりえて たずさえれば そでに みつ
羅衣今夜不須熏らい こんや くんするを もちいず

(意訳)
金木犀(きんもくせい)の香りが漂(ただよ)う庭に、月光が溢(あふ)れている。美女の美しい舞曲も終わる頃、良い気分となった。ひと枝を折って持ってみると、袖に香りが満ちあふれる。今夜は薄衣(うすぎぬ)に香を焚(た)かなくてもよさそうだ。

日本の俳句でも金木犀の夜の香りの句が詠まれています。

「木犀や人は寐ねたる庭の月」  (正岡子規

香りは、写真に撮れないので秋晴れの金木犀の写真を掲載します。