渓流のカワガラス

カワガラスは、小鳥の中では、水の中を泳いだり、水の底を歩いたりできる唯一の鳥です。

山地の綺麗な清流の分岐する場所に、2羽のカワガラスが飛んできました。一羽は、岩の上に降りましたが、もう一方は、どこに行ったのか、見失ってしまいました。岩の上のカワガラスは、石から石へ飛びまわります。その後、水の流れに飛び降りて、首を水につけて、水底を這うように歩き回って、川底の餌を探しているようです。時には、全身を水中に入れて水生昆虫や甲殻類、小魚を採食しているのでしょうか、水の中に、姿を消します。

暫(しばら)くして、もう一羽も姿を現しましたが、2羽が、岩の上で並んだ瞬間、2羽連(つ)れだって、飛び去りました。

「川烏(かわがらす) なきすぎゆきぬ たぎつ瀬の
                  たぎち輝き 流るる上を」(若山牧水