和歌に詠まれるほど美しい女郎花(オミナエシ)

雑木林の小道にたくさんのオミナエシの花が咲いていました。

オミナエシは、和歌でたいへん好まれた花で、万葉集に14首詠(よ)まれているそうで、その後の三代集(古今、後撰、拾遺)にも数多く見られるそうです。

また、平安時代には、オミナエシの花と歌を持ち寄って競う女郎花合(おみなえしあわせ)という遊戯(ゆうぎ)があったようで、オミナエシは、とても貴族に好まれた花だったようです。

さて、朱雀院(すざくいん)が女郎花合(おみなえしあわせ)を催した際に紀貫之(きのつらゆき)が「を・み・な・へ・し」の五文字を句の頭において詠んだ折句(おりく)があるそうなので以下に紹介させていただきます。


朱雀院の女郎花合の時にをみなへしという五文字を句の頭におきて詠める

「小倉山 峰立ちならし 鳴く鹿の
      経にけむ秋を 知る人ぞなき」   紀貫之古今集 物名・四三九)

を ぐらやま
み ねたちならし
な くしかの
へ にけむあきを
し るひとぞなき


意訳:

小倉山の峰が平らになるほど頻繁に恋人を探して繰り返し通いながら鳴く鹿が過ごしたであろう秋の数やその鹿の恋心をを知る人は誰もいません。



秋風に揺れる輝き光るオミナエシ

秋をいっぱい感じさせてくれました。