池のキンクロハジロを捕らえ、脚の指でつかんで飛ぶオオタカ

秋が深まってくると葛西臨海公園の池にいろんな種類の冬鳥のカモが飛来します。

この公園にいるオオタカは秋にやってくるカモたちの飛来を心待ちにしているのでしょう。

11月3日、朝、公園の大きな淡水池でカモをしとめたオオタカ(若鳥)は、その池から少し離れた小池にやってきて草の繁みで捕らえた獲物を食べ始めているようです。

私たちは、このオオタカを野鳥を観察するための「ハイド」の中から見つめています。

でもオオタカは長い背丈の草に隠れて食べているので、その獲物の姿は草に隠れて見えません。

オオタカはこちらを振り向き、私たちに気づいたようで、食べるのを中断し、獲物を脚につかんだまま、草の繁みから飛び出しました。

食べている途中だったので、そのクチバシは赤い血に染まっています。

脚につかんでいるのはどうもキンクロハジロのようです。

先ほどまで池に群れていたキンクロハジロのオスの1羽がその犠牲になったようです。

一瞬、全身を現したオオタカは、たちどころに木々の間に消え去ってしまいました。

その近くにいた鳥たちも皆どこかに逃げ去ってしまいました。

食物連鎖の頂点にたつ猛禽であるオオタカハイタカは小鳥が最も怖がる鷹のようです。


「草枯や 鷹に隠れて 飛ぶ雀」     (正岡子規