「利根川は、群馬県の大水上山(標高1,840m)に源を発し、幾つもの川と合流したり、分派 したりしたのち千葉県銚子市で太平洋に注ぐ我が国を代表する大河川です。
幹川の流路延長は322kmあり、水源から河口までの支川を含めた流路延長は約6,700kmになります。
流域は東京都、群馬県、千葉県、茨城県、栃木県、埼玉県の1都5県にまたがり、流域面積は16,840km2におよび我が国最大の河川です。」(国土交通省のネットでの説明文より引用)
この大河の周辺のあちこちでカワセミがその縄張りを主張していることでしょう。
冬の日の陽だまりの午後、利根川の上流から茨城県取手市の対岸付近の我孫子市側の中州にこのカワセミは出現しました。
中州の枯れ枝にスゥート静かにとまりました。
川の流れを見ていたカワセミは、直ぐに水に飛び込みました。
魚を捕らえて元の枯れ枝に戻りましたが、すこし間をおいて利根川上流に飛んでいきました。
「飛ぶ宝石」といわれるカワセミの翡翠(ひすい)色の羽がキラキラと空中に輝きそれは見事な眺めでした。
カワセミはスズメくらいの小さな鳥ですが、コバルト・ブルーの素敵な構造色を持っています。そのため、川面(かわも)を直産的に飛ぶと、その輝かしい青色の直線が私たちの目の中に残像となって鋭い軌跡を描きます。
この利根川の舞台(ぶたい)でも、ある程度の時間の経過はあったのですが、まるで白昼夢(はくちゅうむ)のような「淡い一瞬の出来事」でした。
「翡翠(かわせみ)や 魚得てかへる もとの枝」 (酒井抱一)
「よろこびか のぞみかわれに ふと来る
翡翠(かわせみ)の羽の かろきはばたき」
(片山廣子)
「しぐれつつ 翡翠(かわせみ)翔(か)けて 蘆(あし)に消ゆ」 (水原 秋桜子)
参考:今年の正月3日に撮影した魚を捕らえて飛び上がるカワセミ