春のモズ

「春されば 百舌鳥(もず)の草潜(ぐ)き見えずとも 我れは見やらむ 君があたりをば」

      (春之在者 伯勞鳥之草具吉 雖不所見 吾者見将遣 君之當乎婆)

                      万葉集 作者不詳

意訳:春になるとモズは草むらに潜って姿が見えなくなりますが、見えなくとも私はあの方のいる家の辺りを見てしまいます」


淡い優しい春の光が、暖かく「渡良瀬遊水地のモズ」を包んでいます。 このモズは、春になっても姿をかくしてはいません。

今まさに咲かんとする蕾(つぼみ)に囲まれたメスのモズは、何を考えているのでしょうか?

春一番の吹いた今、芽吹く木の枝の上で、これから来る「モズの春」を心待ちにしているのかもしれません。

モズは、秋に山から里に降りてきて、冬を単独で過ごし、2月ぐらいから恋の季節となり求愛活動をしてつがいとなって、春から夏にかけて繁殖します。

もうすぐオスのモズからの求愛があり、繁殖、子育ての楽しい季節がもう目の前です。

モズだけではなく私たちも「本格的な春が待ち遠しい」今日この頃ですね!


「口明けて 春を待らん 犬はりこ」   (小林一茶)