雑木林の木陰で雄を待つ雌のチゴモズ

松之山温泉付近の雑木林の風薫る五月はチゴモズ雄の求愛の季節です。

雄のチゴモズが、雌にエサのプレゼントを運んでカップルを形成する時なのです。

チゴモズの産卵期は6月とのことです。

今、木陰の目立たない場所で雌のチゴモズは、じっっと雄の帰ってくるのを待っています。

雌のチゴモズの頭部は雄に比べ茶色味がかかっていて、わき腹にウロコ模様があります。

雌は、辛抱強く待っていましたが、待ちきれなくなったのか、飛び去っていきました。

Red Data Book 2014(環境省編)によれば、チゴモズは、世界的にも情報の少ないモズのひとつで、生息個体数推定できる資料も無いそうです。

国内でも、はっきりした生息個体数は、把握されていないようですが、1970年〜2002年ころまでに激減しているようで、近い将来、絶滅の可能性が相当高いと危惧されているとのことです。

そのため、この松之山周辺のチゴモズの繁殖は、大きな意味を持っていると考えられます。



「春されば もずの草ぐき 見えずとも
        我れは見やらむ 君があたりをば」

               (詠み人知らず 万葉集

意訳: 春になってもずが草の中に隠れてしまって見えなくなっても、私はあなたの家の方を見てますよ。